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2008.8.ドーハギリシャイスタンブール⑥

 結局、明け方4時までDJ音。そのあともずっとガヤガヤしていた。
よくガイドブックなどで「静かな部屋がよければ、このホテルは向かないかも」と書かれているけれど、わたしは静かな部屋よりも、通りに面した、うっるさいところのほうが好きである。

サントリーニは、もっとラグジュアリーな、金持ちジジババが来るようなリゾートだと思い込んでいたが、実際にはまったく違い、ヨーロッパ中の若者たちがひと夏の思い出を求めて本気で遊びに来るとうなところだった。金持ちも貧乏人も楽しい。景色はタダ。

欧米の貧乏若者たちはすごい! 男も女もバックパックを背負って、Tシャツと短パンはいて、やすい宿を探し、海でよく遊び、身体をよく焼き、そして夜になれば、安いけれどちょっとかわいいお洋服をちゃんと持ってきていて、クラブやらライブ会場やらカフェやらで再びよくしゃべり、よく遊ぶ。
一所懸命にアルバイトして稼いだ金を全身全霊をかけて使う、強い情熱、があるからこそなのかなあ、と思った。ひと夏の旅にかける執着心を、ますます見習わないとならない。

部屋のドアを開けると、目の前から朝日が入ってくる。ベッドの目の前がドアなので、寝っころがりながらエーゲ海の朝日が見える。


6:50のバスでイアの町へ。
バス停に行くまでの道には、もうすでにカフェが開き、おそらく徹夜で遊んだのだろう、髪の毛ボサボサの若い男女が朝ごはんを食べていた。まだまだしゃべりたらないよ、というように、朝からペチャクチャやっていた。

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イアの町はフィラの町よりも北西、三日月形の島のてっぺんにある。
ギリシャ、とか、エーゲ海、といったときに多くの人が思う、白壁で青い丸屋根の教会と海、という構図の写真は、この町の教会である。

夕日の時間帯は大変な人ごみだという話だけど、朝はフィラの町と異なり、とにかく静まりかえっていた。静寂。そして朝日。美しい。滞在するならフィラの街よりイアだな、と思った。音がまったくしない。家の中からいびきがきこえる。
歩いている人はほとんどおらず、変な感じ、という意味で、夢みたいだった。



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野良犬がついてくる。
いい奴で、控えめで、「ついてきちゃだめ」と言われてからは、わたしと目をあわせないように、「いや、おれ、ついてってるわけじゃないもんね」と言うかのように、うしろ振り返ってみたり、ちょっといなくなってみたりしながらも、またテッテッテッテっと足音がして、いきなり他の道から回り道してきて「あ、また会いましたね」という顔して現れたりしていた。

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ゴミ拾いもロバの仕事。

9:30 バス来る。フィラの街に戻ってくる。
「車内禁煙」と書いてあるが、運転手は吸っていい。そんな国である。この、世界的な禁煙志向に、イタリアですら従わざるを得ない状況なのに、ギリシャは完全無視である。喫煙家に優しい国。とにかくタバコをよく吸う。ニューヨークタイムズでは「ギリシャ人の朝食はタバコとコーヒー、そして油ギトギトのチーズパイ」と書かれていた、そのとおりだと思う。老若男女、タバコをよく吸う。

ホテルに戻って急いで荷物をまとめ、本当は摂るはずだった朝食もやめてチェックアウト。
フロントの中国系の女の子は、宿泊者確認のために預けていたパスポートを返すの忘れていたけれど、感じのいい子だった。
「あのーパスポート……」
と伝えると
「ああっ! あたし、またやってしまったわ! 前にも1回あったの。宅急便で急いで送らなきゃならなかったのに」
と焦っていた。

10:00のバスで港へ。崖をずうっと下りていく。
10:30 港に着く。今日はこれから、エーゲ海リゾートの筆頭・ミコノス島へ行く。

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船のチェックインをしてから港の前に並ぶカフェで朝食。パンが美味しそうな一軒に入る。
ハムとチーズが入ったパイ、アップルシナモンパイとアイスティを注文。
ギリシャの人はパイ生地が好きだ。このパイ生地もアラブ・ペルシャ系だと言われる。バクラバという菓子もパイ生地で、その生地は紙よりも薄くつくるのだそうだ。ギリシャ人の朝ごはん・フェタチーズの入ったパイも、紙より薄いパイ生地、うしろが透けて見えるくらい薄くつくらなきゃいけないそうだ、そのパイ生地でフェタチーズを巻いてつくる。
ありがとう、を、サンキューではなく「エフハリスト」とギリシャ語で言うと、無愛想なおばちゃんもニコッとする。

11:50発のはずが、30分の遅刻で出港。
船は大型のホバー艇。揺れる! 隣の白人女性2人客に「すごーいねー」と言うと「本当!」と、二人でつないでいる手をみせてきた。そのくらい怖かった。吐く人続出。船員がゲロ袋を配るので大忙し。

ミコノス島のあるキクラデス諸島は強風で有名な場所だと書物で読んだ。そのためミコノス島は道が碁盤の目ではなく、わざと、くねくねとつくってあるらしい。風が一気に吹いて通ることのないよう、迷路になっているのだそうだ。冬はもっとすごくて、船が欠航になるくらいだという。
船内ではサッカーのオリンピック予選ラウンド・ブラジルVSベルギーをやっていた。全体的にブラジルの応援の雰囲気。

イオス島、パロス島に寄航してから15:00、ミコノス島到着。
ホテルの人が出迎えに来てくれた。車で10分くらいのところにあるホテル。市内の中心地が高価すぎてまったくとれなかったため、少し街から離れた場所となった。町まで徒歩10分くらい。

 
部屋は白、天井がスカイブルー、狭くはない。ただしやっぱり水は塩味。

明日の船のチケットを取りに市内まで歩いてみる。
書物で読んだとおりの強風。そしてなんとまあかわいい町なんだ。
サントリーニより都会で、パステルカラーもレベルアップ。青や緑だけでなく、オレンジやピンクの窓枠も出てきた。



いちばん混んでいた店でギロピタを買い、食べながら戻る。フライドポテト入り! しょっぱくて美味い。

19:00 外出。歩き回ることがこんなに楽しい町は、なかなかないだろう。どこまでも美しく、洋服屋やアクセサリー屋、女の子が好きそうな雑貨、レストランが洗練されてる。センスがいい。売っているものの質が高く、ちょっとほしいな、と思うようなスカートとか、小さな絵画がある。



こじんまりとした素敵な中庭の店で夕食にする。この旅初めてのレストランらしいレストラン。



前菜は「ミコノスソーセージ」「ギリシャサラダ」、メインが「ドルマデス」「イカのフライ」、そしてデザートが「ダーメブランシェ」「自家製ケーキ」。



ミコノスソーセージはミートボールのよう。オリーブオイルをたっぷりかけてオーブンで焼いたもの。アツアツで、オレガノの味が美味しい。
ギリシャサラダにしてもそうだけれど、オリーブオイルを水のように使っていても、まったく油臭さがない。
ドルマデスは、本当はブドウの葉にピラフを包んで煮たものだが、この店ではキャベツを使い、肉やら挽き割りの小麦やらを詰めてヨーグルト風味の白いソースと一緒に煮込んだものだった。キャベツを使ったドルマデスはトルコ料理では「ラハナドルマス」と呼ばれ、ロールキャベツの元祖だと考えられているものだ。これもギリシャ料理にあるのか。ディルの香りがさわやかで、不思議な味で美味しかった。
イカフライは普通にイカフライ。一緒に、アジア料理でよくある、スイートサワーチリソースみたいなのが添えられていたけれど、フライはレモンと塩ってのがいちばん美味いと思う。フライの揚げかたがヘタ。サックリしてない。

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そしてまさかのデザート注文。
ダーメブランシェは生クリームとチョコレートクリームとアイスクリームの山。
自家製ケーキはティラミスからコーヒーを抜いて代わりに香ばしいナッツを加えている。美味いけど甘い。
トルコ人に羊羹を食べさせたら「なにこれ、甘くない」と答えた、というのはよくある話だが、日本人とは味覚とか、それから糖分への耐性とか、肉体的な違いが絶対あると思う。

会計と一緒に出てきたのは小さなグラスに入れられたリモンチェッロ。お姉さんは超美人で優しい。



夜になっても、どのお店も開いていて、大変な賑わいは変わらない。
気になるのはキオスクの主力商品である。看板に掲げるような商品の、ベスト3のうち2点が乳製品だ。

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24:00 就寝。

続く

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