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24. august 2008

第一章 天食一人

4日(月)

快晴。空気はヨーロッパ。
9:00 ブレーカーが落ちる。どうやっても回復せず。昨日の兄さんに電話すると14時頃来て直しておく、とのこと。
兄さんは「もうひとつの仕事をしてるからすぐには行けない」と言った。これもギリシャの特徴だと書物で読んだ。普通、仕事は14時くらいに終わる。でもその収入だけでは足りない人は、その後、副業をする。兄さんも、このアパート管理は副業なのかもしれない。
副業を持つ人が多いことは、ギリシャの税務局を悩ませる。税金を正確に取り立てられないからだ。
スーパーへ行く。
徒歩5分圏内に結構品揃えのいいスーパーがある。嬉しい。大きくはないけど充実していて、棚もよく整理されている。
桃、洋梨、トマト、レーズンパン、そしてギリシャの朝食の定番・チーズパイ、さくらんぼのヨーグルトなどを購入。

11:00 出発。暑いけど、暑さの基準がドーハになっているので、全然気にならない。木陰に入ったら超涼しいじゃん。
アテネの中心、シンタグマ広場からプラカ地区を歩き、大聖堂を目指す。大聖堂の壁は青い大理石。大理石ってきれい! 4000年も大理石使い続けて、まだ切り出せばあるなんてすっげえ。地球の資源はすっげえなあ。
おみやげ屋さんの名前は、ほっとんどギリシャ神話系。某超高級ブランドも、こーんなにフレンドリー。
 



ギロピタを食べる。
ギロピタはトルコのケバブと、ほぼ同じもの。肉と野菜を薄い生地のパンで巻いてある。
やっぱうめーなー。
今、世界でいちばん美味いファストフードの1つだ。

いよいよアクロポリスへ。
とにかく山登り。暑い……。日焼け止めを塗りなおす。
パルテノン神殿を目指して登り続ける。すごい人。さすがだ。
ギリシャは観光国でも、アテネに滞在する人はさほど多くなく、みんな素通りしてエーゲ海へ行ってしまう、と、書物には書かれていたけど、それでも、さすがパルテノン神殿、うっじゃうじゃ観光客がいる。
坂道を、ひたすら、ひたすら、登り続けると、博物館の入口がある。


 S031
白い大理石が青い空に、それはそれはよく映える。
ギリシャ国旗の色だ。この国の国旗はこれしかないって色をしている。
パルテノン神殿が、こんなに切り立った崖の上にあるなんて、ついこないだまで知らなかった。NHKでやっていた、関口知宏の鉄道紀行を見て、ああ、こういうふうに街から見えるのだ、と驚いたのだった。もっと「小高い丘」みたいなところだと思ってた。
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プロピライア(大門)をのぼりきると改修工事現場の間から、パルテノン神殿が見えてくる。すごい、としか言いようのないものだった。今から2500年も前のものが、風雨にさらされながらも立ち続けている、っつうのはそれだけで迫力がある。
S030 S034
市内を一望。アクロポリスの丘のふもとにはイロドアティコス音楽堂やディオニソス(バッカス)劇場がある。ディオニソスは酒と演劇の神様。
ゼウス神殿跡も見える。
S036 S035
パルテノン神殿のまわりをグルグル歩き回る。
アクロポリスの丘には日陰がない。小さな細い木の下に、みーんな集まってくる。倒れる……。でも立ち去りがたい。いちばんいい日陰を陣取っているのは犬や猫。
S033
こういう「世界遺産」見ちゃうと、登録されなくてピーピー言ってる平泉とか、ちっちぇえなあ、って思う。今、登録されてる世界遺産ですら多すぎると思うよ。例えば500箇所とかに決めちゃって、保存状態や重要性で入れ替え制にしてみたらどうだろうか。日本にあるユネスコ世界遺産で、パルテノン神殿に匹敵するものなんて、ないじゃん。個人的には日光東照宮、好きだけどさ。
S038 S039

下ってきてジュース!
S040ディオニソス劇場へ。

地下鉄でシンタグマ広場まで行き、コロナキ地区を歩く。
ギリシャ独特の香草・マスティハの専門ショップへ。
マスティハはパセリの味。ガムが有名で、ギリシャのスーパーならどこにでもある、とか。わりと美味しい。

コロナキ広場まで歩き、カフェへ。
巨大カフェだけど24時間営業。
ギリシャ名物のフラッペと、ギリシャ国産ビールを注文。国産ビールは生ビールがない! なんでだ?
昨日の夕飯の店もそうだったけど、国産ビールよりもアムステルとかハイネケンとかレーベンブロイとか、外国産のもののほうが出回ってる。
フラッペは泡立てたインスタントのアイスコーヒー。すんげえクリーミーでドロリとしている。スターバックスのフラペチーノみたいなのを想像していたけど違った。美味しいけど。
S041この国でコーヒーといえば、それはギリシャコーヒー。トルココーヒーやベトナムコーヒーと同じく、細かーく粉にしたコーヒーを煮出し、漉さずにカップへ入れ、粉を沈殿させてから飲むもの。それ以外はインスタントコーヒーで、これは「ネスカフェ」と呼ばれている。フラッペにするのはギリシャコーヒーではなくてネスカフェのほう。クリームと砂糖は注文時にきかれ、入った状態で出される。もこもこどろーん。

ギリシャ王室が亡命しているからか、イギリス大使館が立派。
デンマークの王子を擁立して始まったギリシャ王室は1970年代にNOと言われて以来、イギリスに住んでるのだそうだ。
ギリシャもかなりグッチャグチャな歴史をたどっている国だ。2000年前にあれほど繁栄したのに、ローマ帝国となり、オスマン帝国となり、19世紀末に独立しようとしたものの欧州列強から君主制を強制され、共和制になってクーデターとか全部おさまったのは1980年代じゃなかろうか。
EUの最貧国でもある。アテネの街も、観光客のいっぱいいるところはきれいだけど、ちょっと外れると、オンボロアパートが並んでいて、ガキンチョの着てるものもボロかったりする。
隣国との関係にも問題がある。「マケドニアっつうのはウチの地方の名前であるから、勝手に国の名前に使わないでよね」と、マケドニア共和国の国名に文句をつけ、トルコとはオスマン帝国への恨みと、それからキプロス領有問題で最悪の関係である。いろいろ大変やね。

18:30 戻ってきて昼寝。電気なおってる! どうやら電気使用量が大きすぎるとブレーカーが落ちてしまうらしい。お風呂は給湯器のスイッチを入れてしばらく待つと、お湯が沸き、沸いた分を使い切っちゃうと水になる、ということらしい。
すんげえ土方焼け! 半袖のワンピースを着なければよかった。二の腕にくっきりと境界線ができちゃった。首の裏とふくらはぎの裏も、まっか!
S043
20:00 夕飯を食べに行く。
昨日入った店の向かい側のライバル店で食べてみる。
S044
ツァジキ、フェタチーズがどかんと乗っかったグリークサラダ、茄子とじゃがいもの重ねグラタン・ムサカ、そしてケバブ。
S045
ギリシャでケバブというと、串につくねみたいにひき肉(牛と羊の合挽き)をくっつけて焼いたものが出てくる。ギロピタの中にも、こいつが入っている。
ツァジキはやっぱりなめらか。サラダに乗っかったフェタチーズは、今朝スーパーで買ったやつよりも濃厚でいいにおいで美味しかった。チーズはちょっとくさいのが、あたしの好み。しょっぱいしょっぱいと書物に書かれることの多いフェタチーズだが、酒飲みで味覚がしょっぱいフヂマリにはちょうどいい。
ムサカとケバブは美味しいけれど、味が単調で飽きるんだよなー。ムサカよりイタリア料理のラザニアのほうが美味しい。トマトの酸味があまりないぶん飽きるのだ。やっぱり酸味というのはすごい! あたしはツァジキの残りをケバブに塗りながら食べていた。
ケバブのピタパンも肉自体の味も、昨日の店のほうが美味しかった。途中入ってきた、日本人の男の子に「向こう側の店のほうが絶対美味いっすよ」って教えてあげればよかった。たかが塩味の、串焼きの肉なのに、味が違うってのは面白いなあ。値段がオーストラリア牛と日高牛みたいに違う、ってわけじゃないのに。昨日の店の肉のほうが旨味が強くて、でも繊細な味だった。ツァジキにしてもそう。
S046デザートがサービスで出てきて、「食べたら追徴されるんじゃなかろうか?」と疑う。でも食べちゃったけど。あとで領収書見たら本当にサービスだったけど。
出されたデザートは、黄桃缶を合わせたヨーグルトに蜂蜜がかかっているもの。
ヨーグルトはツァジキに使われているものとおんなじ、きめの細かいやつ。おいしー。けど、前菜に食べたツァジキと味のイメージがダブる。ヨーグルト、本当に好きなんだなあ、この国の人たちは。

お会計のときに、おつりが2ユーロ以内くらいだと、気兼ねなく「おつりはとっといて」と言える、貧乏なフヂマリ。30ユーロ出して4ユーロくらい戻ってくると、ちょっともったいなくて言えない……。

地下鉄の駅構内には遺跡の出土品が飾ってある。街中にもいきなり遺跡があったりする。掘ればなにかしら出てくる感じ。建設工事、めんどくせえだろうなあ。いちいち調査しなきゃなんねえし。見なかったことにして埋めて建物たてちゃいたいだろうな。地下鉄工事とか最悪。見なかったことにできないから。2004年のアテネオリンピックのために地下鉄、だいぶ整備したんだろうけど、がんばったよ。
S04723:00 歩いて戻ってくる。



次章へ続く!

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